ソプラノ・サックス / Steve Lacy  



  スティーヴ・レイシーは、1934年7月23日ニューヨークに生まれる。スウィング派のクラリネット奏者として活躍したが、
50年代半ば、フリー・ジャズの先駆者、セシル・テイラーと出会い、フリーに転向。同時にソプラノ・サックスに専念するよ
うになった。テイラーもスウィング系の演奏を行っていたが、56年9月14日に、自己の音楽性を大胆に展開させ、フリー・
ジャズの先駆け的な内容によって大きな話題を投げかけた「ジャズ・アドバンス」を録音する。レイシーもこの作品に2曲
参加している。以後もテイラーと活動を続ける。

本作品は、レイシーの初リーダー作で、「ジャズ・アドバンス」のテイラーがウィントン・ケリーに代わっただけのメンバー
による異色のスタンダード集。 ピアノ・トリオをバックにストレートなジャズを展開。時代はハード・バップ期で、フリーっぽ
くはなく、聴きやすい内容になっています。ソプラノ・サックス一本に即興のすべてを注入するレイシー初期の名作。

1曲目〈デイ・ドリーム〉は、スロー・テンポで、4ビートの演奏が流れていく。レイシーはやや太い音色で、柔らかく歌って
います。ケリーの落ち着いた小粋なプレイと展開される。
youtube.com/watch?v=gRPl1A7ypgY

2曲目〈アローン・トゥゲザー〉は、アーサー・シュワルツの名曲。ビュエル・ネイドリンガーのウォーキング・ベースから始
まり、レイシーのストレートなテーマ、ネイドリンガーのテンポのいい滑らかなベース・ソロ、レイシーの伸びやかなソロ、
ケリーの歯切れの良いブルージーなピアノ、三度レイシーのプレイと続く。



3曲目〈ワーク〉は、セロニアス・モンクの作曲。レイシーのソロは曲がりくねる旋律、ケリーの小気味良いプレイ、デニス・
チャールズのドラミング、ネイドリンガーのベースと短いソロが続き、レイシーのプレイと戻っていく。
youtube.com/watch?v=rMKZVc3mgcM

4曲目〈ロッキン・イン・リズム〉は、愉快な明るい曲。ネイドリンガーの重厚なベース、レイシーの躍動的なプレイ、ケリー
はやや速いテンポで、軽やかなプレイを繰り広げていく。
youtube.com/watch?v=HFdNG_gQ2kM

5曲目〈リトル・ガール・ユア・ダディ・イズ・コーリング・ユー〉は、テーマの後、ケリーは速いテンポに乗って、スインギー
で歌いまくり、チャールズの冴えわたるドラム・ソロ。レイシーはソロなしのテーマ演奏のみ。
youtube.com/watch?v=zVITdK6lr0Q

6曲目〈イージー・トゥ・ラヴ〉は、コール・ポーターの作曲。ミディアム・テンポで、感じのいいテーマ。レイシーはリズム感
よく、気持ち良さそうにプレイを展開していき、ケリーはピアノ・タッチが明快で音がよく切れており、心地よいプレイ、ネイ
ドリンガーのソロは低音の豊かな響き、再びレイシーの広がりのあるおおらかなソプラノ・サックスが響き渡ります。
youtube.com/watch?v=utqBjdgWDRo

ソプラノ・サックスの商品詳細ページ

   

 Recorded November
 1, 1957 Prestige.

 Steve Lacy soprano sax
 Wynton Kelly piano
 Buell Neidlinger bass
 Dennis Charles drums

 1. Day Dream 4:23
 2. Alone Together 6:44
 3. Work 5:24
 4. Rockin' In Rhythm
  4:05
 5. Little Girl Your Daddy Is
  Calling You 4:32
 6. Easy To Love 8:25